• テキストサイズ

【呪術】もしも、希望の隣に立てたなら。【廻戦】

第5章 着信と喧嘩


紅海が体育館を飛び出していった後
五条は生徒たちの視線を感じながら、咄嗟に口を開いた
なんちゃってドッキリ発言
自分でも意味が解らない
解らないけど軽く手を振って、その場を後にした

廊下に出た瞬間、空気が急に重くなる
…最悪。
歩きながら、無意識に歯を噛み締める

いつもそうだ…隠してもはぐらかしても
紅海は、無自覚に自分の地雷を踏んでくる
何で解んだよ…

皆、傑の名前は避けてきた
腫れ物に触るみたいに、遠回しに、曖昧に
それが“大人の配慮”だと、いつの間にか思い込んでいた
自分自身も、そうしてきた
心の奥に押し込んで、開けない様に、触らない様に
それを、 紅海は、あんなふうに口にした
あれは、ただの無神経だったのか?

ふと歩みが止まる
それとも「……話しても平気だ」って
空気を作ってくれたのか?

今頃、きっと 紅海は「自分が悪い」「悟を傷つけた」「泣いてしまった」とか絶対に思ってる
なんなら責任感強いやつだから、落ち込んで退職とか
いや、それは無いか…

とにかく 紅海と喧嘩したかった訳じゃない
…どんな顔で会えばいい?

頭に浮かぶのは
泣いていた 紅海の顔
何度拭っても止まらなかった涙

高専時代から、どんだけ泣かせてんだよ俺は
「あ~っ!もー!解んねー!」

廊下で叫ぶ五条に、ビクついた人物が1人
見覚えのある背中が目に入った
「…あ」

資料を抱えた伊地知だ
五条は一瞬ためらったが声をかけた
「伊地知」
振り返った伊地知は、少し驚いた顔をした後、すぐに姿勢を正す
「五条さん。お疲れさまです」

「お前さ、今日の予定あんの?」
「いえ、今日は特に急ぎの案件は…」
「じゃあさ」
五条は視線を逸らしたまま、軽く言った
「…ちょっと付き合えよ。晩メシ」
伊地知は一瞬、目を瞬かせた。
「…へ?」
「何か、考えるの面倒くさくなってさ、飲みに行きたい気分
とりあえず、余計なこと言いふらさなそうだし、言いふらしたらたら制裁するし」
恐ろしい事をサラっと言ったような?いや、あなた飲めないでしょ…
それでも伊地知は、少し困ったように笑って頷いた。
「…分かりました
 五条さんに誘われるの、珍しいですし」
『よし決まり、じゃ、また、授業終わったら声かけるわ』
五条はチャラチャラっと職員室に入っていく
/ 64ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp