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【呪術】もしも、希望の隣に立てたなら。【廻戦】

第5章 着信と喧嘩


着任して一週間
昼休み後の授業風景は穏やかだった
『…こういう、平和な日もあってもいいかもね』
紅海が体育館の壁ににもたれ微笑む
視線の先では、1年の3人が、バスケットボール中
真希のパス、パンダのダンク、棘のディフェンス

「アオハルってやつね」
隣で五条が、軽い調子で言った
どこか気を抜いた空気が混じっている

『そういえばさ、悟と傑も、良くバスケしてたよね』
視線はコートに向けたまま 紅海は話しかけた

五条の表情が一瞬強ばる

その時、 紅海のスマホが震えた
『あ』
小さく声を上げ、画面をスライドする
『もしもし? …遊佐くん、久しぶり!
 あ、って言っても一週間ぶり? えへへ』
紅海の表情が変わる、誰かに懐いてる顔
別にココで話しても良いのに、わざわざ寒い外へ出る

今、「遊佐"くん"」って言ったな
五条は、ちらりと 紅海を見る
微かに 紅海の笑い声が聞こえてくるが内容は聞こえない

『ごめんね、さっきの、京都の人。心配して電話してくれたの』
戻ってきた 紅海が、少し申し訳なさそうに言う
「ふーん」
五条は短く返した。自分には関係ない
関係ないのに、ちょっとイラついた
幸い目隠しのお陰で表情は解らないだろう…多分

しばらく沈黙が流れたあと、気まずくなり
紅海がふと思い出したように話す
『そうそう、さっきの話し!傑はさ、意外と真面目にルール守ってたりして悟に説教したりさ』
くす、と 紅海が笑う
『傑って、すぐに悟のファール気付くんだよね』
悪気はない、話を続ける
『でさ…』
そこまで言って
五条の中で、何かがはじけた
「さっきから…傑、傑ってさ
僕への当て付け?」
紅海が、きょとんと目を瞬かせる
「え?」
本気で意味が解らない顔
その無自覚さが、さらに五条を苛立たせる

五条は不意に目隠しを下げる
「傑は…僕が殺った」
蒼い目で 紅海の心を探るように見つめる…

沈黙の後
『知ってるよ』
その一言で、五条は頭が真っ白になった

直接すぐに伝えられなかった事、 紅海はもう知っているだろう事も薄々気付いていた、このまま触れずに 紅海の前では無かった事にしても良いと思った
だが、現実を突き付けられる。頭の中で様々な思いが過る
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