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【呪術】もしも、希望の隣に立てたなら。【廻戦】

第4章 東京とおたべ


七海は視線を 紅海の足元に落とす
「荷物、多いですね」
『あ、うん。業者に頼んだ物も有ったんだけどね
自分で持っていった方が良いのも有って』
軽く笑って返す 紅海に、伊地知が咳払いをした
「よければ…送りますよ?」
『え?』
「ちょうど七海さんを送っていく途中だったんです。無理にとは言いませんけど」
と、伊地知は七海の方へ視線を向けると
七海もコクリと頷く
『良いの?凄く助かる。ありがとう』

七海は何も言わずに、 紅海の足元に置かれた段ボールを一つ持ち上げた
『あ、七海、いいよ! 重いし』
「問題ありません」
『でも…』
「お気になさらず」
淡々とした口調
七海と一緒に荷物をトランクに運ぶと
車のドアを開けて、どうぞと促してくれる
『スマート過ぎる…七海、モテるでしょ?』
助手席に座った七海の背後から顔を出す
「シートベルト…」
注意され話をすり替えられる
『七海、背伸びたよねぇ』
「昔から高かったですよ」
『いや、雰囲気大人になったなぁって』
七海は一瞬、視線を逸らす。
「…あなたが変わっていないだけでしょ」
『それ、褒めてる?』
「どちらとも取れるように言いました」
返す言葉が出ない 紅海に伊地知が苦笑する

窓の外に流れる高専の森
七海は前を見たまま、ふと口を開いた
「…東京校に戻ると聞いた時は、正直、驚きました」
『うん、私も、戻って来れるとは思ってなかったし』
「京都は人手不足なイメージですしね」
『そだね、でも、将来有望な呪術師も育ってるよ…私も頑張らなきゃって思わせてくれる』

「無理は、しないでください」
『大丈夫だよ?』
紅海は微笑んだ
「無理をする人ほど、そう言われると笑うものです」
『なにそれ?トンチ?』
紅海は少し困ったように笑う
七海は、それ以上何も言わなかった

車のナビが目的地を表示する
『ありがとね、思ったより高専に近い場所で良かった』
「いえいえ、困った事が有れば言って下さいね」
伊地知はとんでもないと手を横に振る
『これ、はい!おたべあげる』
伊地知と七海にお土産の、おたべを渡す
「そのカバン、大半がお土産だったんですか?」
『うん、すぐに手渡せるでしょ?』
「それこそ、宅配で後からでも渡せるものを…あなたらしいですね」
七海が微かに微笑んだ
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