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【呪術】もしも、希望の隣に立てたなら。【廻戦】

第22章 ブーケと夢の国


五条はグラスを傾けぽつりと言う。
「僕からみれば、結婚式って、人間の儀式って感覚なんだよね」

七海は少し考えてから答える
「有る意味、そうかもしれません」
そして続ける
「ですが、悪いものではない」
五条は笑った
「ははっ、否定はしてないよ?」
身振り手振りが多くなる
「ただ、僕の人生には、あんま関係ないだけ」
店の奥で客の笑い声があがる
その音を聞きながら、三人はしばらく黙っていた

それなのに、他人の式に参列して幸せそうに笑っていた紅海の顔
頭の中から離れない
その感覚が、自分の中にうまく収まらない

五条はグラスを机に置いた
「ねぇ」
伊地知が返事をする
「はい?」

五条は、少し首を傾ける
「だいたいさ結婚って何?」

伊地知が一瞬止まる
「…え?」

五条は続ける
「別に結婚とかしなくても良いでしょ?」

「いや…それは…」

横で、五条が伊地知に絡んでいるのを聴きながら
七海が静かに酒を飲んでいる

「いやさ、その前にさ、付き合うって何よ?そもそも、告白とか何?」
五条の眉をひそめ、伊地知の手が止まる
「…はい?」

五条は続けた
「“付き合ってください!”」
指で空中を右から左へ
「“喜んで!”」

そして肩をすくめる
「なんで、ああいう儀式があるわけ?」

伊地知は完全に困った顔をしている
「いや、あれ…ぎ、儀式?なのかな…」

五条はテーブルに肘をついた
「自分がさ、この人好きだなぁって思ってれば、それで良くない?
何でそこで、相手に自分が好きな事伝えるの?お付き合い成立です!みたいな線引きするの?」


やっぱりこの人、どこか考え方が違うなぁ…と、
伊地知は口を開いて、閉じた…言葉が見つからない

五条はさらに続ける
「告白=お付き合いって流れ…なんで必要なの?」
五条は肩をすくめる
「合法的に性的欲求と承認欲求を満たすためだけの契約じゃないの?
むしろ、欲を満たすなら、告白しない方がストレス溜まらない気もするしね?」

伊地知がむせた
「ぐほ!ごほ!ごほっ!ご、五条さん…!」
だが五条は止まらない
何故か少しだけ、苛立っている

「だいたい、相手の気持ち確かめるのって必要?
自分が好きだから思ってるだけじゃダメなの?」

ため息が混じり、また、小さな沈黙ができた

伊地知は完全に困っていた
「ええと…その…社会的な安心感というか…」
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