第21章 隣と桜
『悟…かばってくれた』
五条は肩をすくめ少し歩き出す
「他人の理解が無くても、君が守った人達が、あーやって幸せなんだから、紅海のやった事は間違えないんだよ」
視線の先に、先ほどの女性が旦那であろう男と腕を組んで歩いている
「それとも…あの子が羨ましい?」
『え?』
「ああやって、パートナーがいて、余裕ぶって紅海にマウント取ってくる…」
『ふふっ、あの子、心配してたって言ってたから悪気はないよ』
紅海も五条と歩き出す
「そう言う所、紅海の良い所だけど、もっと怒って良いよ」
五条は、わざと紅海に横から軽く体当たりする
『わ!もう!』
口を尖らせて立ち止まる
『怒るって言うかさ…同じ年なのに、全然歩んできた道が違うんだなって落ち込んだ…
旦那さんがいて、子供が2人もいるって言ってた…私なんかより大人だなぁって
私は…あの頃と全然変わってない世界を見ているなぁって…』
ゴツ!
紅海の脳天にゲンコツ一つ
『ったぁ!バイオレンス~っ!!』
頭をかばう
「お前さぁ、真面目すぎ、変わってなくても良いじゃん、それが紅海の良いところなんだからさ、比較する相手間違えてんだよ」
比較…?と、首をかしげる
「そりゃ、俺らの年で、結婚して子供2人いて?普通の人生なら立派だよ
でも、呪霊見えない人間の方が沢山いる世の中でさ、呪霊から、命掛けて人間守ってる方が立派だよ?」
五条は紅海の頭をゲンコツでグリグリする
「それに、紅海が普通の人生歩んでたら、呪霊がはびこって世界が困ってたよ…」
『ぅ~っ、そうなら良いな』渋い顔でゲンコツを払いつつ
「それでも、マウント取られたら
嘘でも、このイケメンの僕と結婚してるとか言えば良いんだよ?そしたら、大抵の女の子は羨ましがる」
グッと親指を立てる
『もぉ、また…さっきの“彼氏みたいな感じ”とかさ、ダメだよ?…言われた方は変な誤解しちゃう発言だよ?』
わたしは、誤解しないけどさ…と、線引きする
「厳しいなぁ」
誤解されても良いんだけどねとは言わない
『ふふっ…でも、それを含めて、かばってくれて有り難う』
五条は礼を受け取り日常に戻す
「次、どこ行く?」
『強いのが飲みたい』
「いいね…今日は祝杯だからね」
二人の影が、並んで伸びる