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【呪術】もしも、希望の隣に立てたなら。【廻戦】

第23章 指と欠片


「ふーん、そっか」
だが、それ以上は踏み込まない
踏み込む理由が、ないから
あるいは、まだその理由を無い事にしているから…

新幹線の到着を告げる音が流れる
『じゃあね、悟、伏黒くんのこと、ちゃんと見てあげてよ』
紅海は軽く手を振る
その言葉は、頼みでもあり、釘でもあった
「あいあい」
適当な返事

扉が閉まり紅海の姿が視界から消える
由布湯のやつ……いや、今はそっちじゃない

意識的に紅海の遠征は切り捨てる
五条は頭の中で優先順位を並べ直した…

一方…新幹線の中

規則的な振動で、意識が奪われそうになる
ポケットの中、紅海の携帯が震えた

画面に表示された名前
伏黒恵…すぐに出る
『どした?伏黒くん』
車内の中で自然と声を落とす

「流鏑馬先生、朝早くからスミマセン」
『いや大丈夫、今から遠征に行くところだから
悟から聞いたよ?大丈夫?』

一拍

受話口の向こうで、言葉を選んでいる
「大丈夫と言うか…見つけるのに、漠然としてるんですよ…」

助けを求めている訳ではない
だが、誰かと現状を整理はしたい
それが、はっきりと伝わる

『両面宿儺の指…もし誰かが持ち出してるなら
封印を解いてないとしても、移動した事で元の場所の呪霊の動きが活発になってないかな?』

少しだけ間を置く
『後は、一本だとしても呪力は結構なもんだと思うんだよね』

思考を言葉にして導くだけ…
「ありがとうございます…
とにかく探すまで戻ってくるなしか言わないし
あの人、軽くないですか?」

愚痴…評価と、不満と、少しの信頼が混ざっている
紅海はそれを正確に受け取る

『まぁ、悟はいつも余裕なんだよ』
少しだけ笑う
『伏黒くんを信用してるから任せてるんだろうしね?解ってあげて?』
柔らかく補正する

『わたし、岩手からの帰りなら、手助けは出来るけど…
…何かあった時様に、高専のGPS起動しておいてくれるかな?』

軽く言う
あくまで“保険”のように…
伏黒との電話を切って、紅海は窓の外を見た
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