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【呪術】もしも、希望の隣に立てたなら。【廻戦】

第20章 重傷と記録


═══閑話═══

京都の宿舎
今日は…あの五条悟が来た…しかも
由布湯とか名前呼びされてしもた…破壊力ハンパないやろ

元々、彼に近づくために、紅海ちゃんに近づいたんだから、その五条に呼ばれたら、少し嬉しくなるのもしょうがない…と、言い訳を作る

「今更やけどな…」

小さく呟く

「紅海ちゃん…」

壁に背を預けて、天井を見上げる。

「はぁ……」

疲れているのは仕事のせいだけではない

紅海に助けられた日のことを思い出す

本来なら、自分はあの人を利用するつもりだった
関係を作っておけば、いろいろ便利だろう
それくらいの打算は、当たり前にあったのに

命を張って守られた
彼女の領域展開…そっと背中を撫でられて
足の痛みが落ち着いた
『ゴメンね来るのが遅くなって…大丈夫だよ…
怪我の進行を止めたから、もう少し我慢してね』

優しい声で、自分のことなど後回しみたいな顔で
当然みたいに…あれは、ずるい
その後、呪霊を祓って、高熱だしてぶっ倒れた…
利用するつもりだった相手を、いつの間にか好きになっている

最初は普通に「流鏑馬さん」と呼んでいた
年上だし、それが自然だった

でも途中で、わざと変えた
「紅海ちゃん」
自分は三つ年下…対等に見てほしいから


なのに

「なんで今さらやねん…」
思い出すのは、昼間の五条悟の顔
「…覚悟決めた顔やん」
遊佐は頭を抱えた

「相手が本気だしたら、そんなん…紅海ちゃん持ってかれてしまうやん」

あの男は強い
呪術師としても、人間としても

それは最初から分かっている
でも、今まではどこか紅海に対して本気じゃなかった

紅海ちゃんの事やって、京都に配属されてた時は
さほど気にしとらんかったはずや
今さら全部受け止めます、みたいな顔しよって
思い出して腹が立つ

遊佐は深く息を吐いた

自分が紅海を好きな事を知っているから
わぞわざ、京都にまで来はったんやろなぁと苦笑する

そこだけは、妙に律儀だ
「…ほんま面倒な男やな」

そして少し考える
紅海の顔を思い出す

あの人は多分、何も分かっていない
二人の男が勝手に悩んでいることも

「まぁええわ…紅海ちゃんを幸せにするんは、ぼくかアイツかってだけやしな」
少しだけ口元を上げる
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