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【呪術】もしも、希望の隣に立てたなら。【廻戦】

第20章 重傷と記録


五条は静かに聞いている
遊佐は続ける

「面倒な案件や、等級の見誤った呪霊押し付けて
紅海ちゃんなら大丈夫やろって思われて
怪我したら怪我したで、上の方の人らは
"また怪我しよって"って勝手な事言うてきて…
それやのに、紅海ちゃんは、自分が弱いからって…言うてた」

五条は、苛立っていた
「紅海は、決して弱くない…何だよそれ」
「そやねん、弱いわけちゃうねん…理不尽な任務押し付けられとるだけや
紅海ちゃんは、断る事せえへんし、自分より他人を優先して守ろうとすんねん
守れた人数より、守れなかった人数を数える子なんよ」

五条は小さく頷く
「だろうね、紅海らしいよ」

遊佐は、ふと五条を見る
「…五条さん」
「ん?」
「なんで、今なん?知りたいんやったら、もっと前に聞けたんちゃいます?」

五条はすぐ答えない
パフェをスプーンで、かき混ぜる
ゆっくり言った
「それが…紅海の事、知った気になっててさ
最近、“今までだってピンチな時は有った”って本人から聞いてさ
僕、紅海の事、あんまり知らなかったんだって気付いた」

「…今更やなぁ」
「だね」
五条は否定しない

遊佐は視線を真っ直ぐ向ける。
「で、知ってどうするんです?
紅海ちゃんの戦い方変えさせる?」

五条は首を横に振る
「しないよ…ただ、紅海みたいな戦い方する子は
多分、隣に誰が立つかで、だいぶ変わると思うんだよね」

遊佐の表情がハッとする
「厄介やなぁ」
五条が首を傾げる
「何が?」
ため息を大きく吐いて続ける遊佐
「紅海ちゃんの事、ちゃんと見ようとする人がぼく以外に増えるんは厄介や言うてんねん」

「それって褒め言葉~?」
五条は笑ってパフェを口に運ぶ
遊佐は五条と視線を合わせて、すぐに逸らす
「はぁ…紅海ちゃんに会いたいなぁ…」
「由布湯って、そんな弱音吐くんだね」
最後の一口を味わって、にやりと遊佐を見る

「弱音とちゃうわ!紅海ちゃんに会いたいんは
ちょっとでもぼくの方見て欲しいだけで…
…ん?今…ぼくの事、名前で呼びました?」
「うん何か問題有る?」
「も、問題…無い」
五条に名前を認識されていた事に照れる遊佐

二人の間にあるのは同じ人物を理解している者同士の
静かな牽制と、少しの敬意だった
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