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【呪術】もしも、希望の隣に立てたなら。【廻戦】

第20章 重傷と記録


全員、沈黙
結界を解いて逃げていく数人

伏黒が駆け寄る
「先生!」
『はい、また襲われちゃって……』
少し困ったようにすぐに電話で報告している

まるで、買い物袋を落とした程度の出来事のように
伏黒はしばらく言葉を失う

「……先生、あの足技」

『ん? 見てた?お祖母ちゃんのしごきの成果』
紅海は笑う

伏黒は思う…異様な強さ
そして何より襲われる事に慣れている

…が、一瞬の隙だった
背後からの気配…

振り向くより先に鈍い衝撃

『っぁ!!』
紅海の肩の下、鎖骨の裏あたりに硬い異物が突き刺さる
呼吸が途切れる

杭だ…呪具なのか黒ずんだ金属

「先生!」
駆け寄ろうとしたが別の男に弾かれ、邪魔されないように先程の結界が再び張られる

『っはぁ……まだ、いたんだ……油断したぁ』
歯を食いしばる紅海

傷口から血が伝う…温度が下がる
その時、呪力に異変を感じる
呪力が、練れない…呪力が身体を巡らない?

呪詛師が笑う
「効いてるな」

『コレのせいか…』
紅海は、杭を睨む
呪力の阻害

ならば…体術

一人が正面から突進してくる
紅海は半歩横へ…だが肩が鈍く痛む
踏み込みが浅く拳が頬を掠める

腰を落とし、軸足を相手の足の外へ滑り込ませ崩す

肩に痛みが走るが止まらない
膝を相手の大腿に打ち込み
後ろ回し蹴りが顎を打つ

だが、背後から2本目の杭が呪力と共に打たれ
鈍い衝撃が背中寄りに刺さる

『っう!』
血が滴る
「この女、暴れるな!」
「早くしろ!効力が切れるぞ!今のうちに拉致ろう」

効力が切れる?
なら、粘れば

紅海は掴まれた腕を逆に引き、自分の体を回転軸にする
敵の勢いを利用し脚を首に絡め足首を固定し
そのまま、体をひねる
重さに耐えきれず、地面へ叩きつけられる

『っ、はぁ……はぁ……』

視界が滲む、肩から血が流れ続ける
体温が逃げる

「先生!くっそ!!」
伏黒は結界を崩そうとしている

紅海の肩から血が流れ続ける

それでも、足払いをして倒して…だが、身体を返され
上に乗られ押さえ込まれる…
重い…体格差を感じる、あと一人なのに

そそに、胸の奥で、何かがほどける感覚
呪力が――巡る
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