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【呪術】もしも、希望の隣に立てたなら。【廻戦】

第20章 重傷と記録


まだ、始業式も始まっていない4月の始まり

廃ビル裏の広場
伏黒は単独任務を受けられる2級呪術師ではあるが
入学前の身だ、念のために紅海が補助をする
と言っても、何も手を出さずに終わった

五条が付き添いでも良かったのだが
海外に用事があるらしい
相変わらず、詳しくは話さない秘密主義

『じゃあ、帰ろうか』
紅海が軽く言う
「はい…」
伏黒が一歩前に出た、その時

背後で気配が動いた
振り返る

紅海が、数人の男達に囲まれている
空気が重い

「先生!?」
『大丈夫』
声は落ち着いている。

次の瞬間、外側から薄い膜のような結界が2重に張られる
伏黒の指先が弾かれた

「…っ…何だ、これ…」
男達と紅海、伏黒の間に1枚
伏黒と廃ビル広場のバリケードの間に1枚
伏黒は結界を破ろうと抗うがびくともしない


呪術師の一人が笑う
「随分余裕だな」
紅海は重心をほんのわずかに落とす

伏黒は、まだ彼女の実力を知らない

一人が術式を使い襲う
速いが紅海は半歩だけ斜め後ろへ滑る
軸をずらし、拳が頬を掠める直前
彼女の左手が相手の肘裏に触れて流す

体を回転させる遠心力に、相手の腕を巻き込み体勢を崩す
そして、右脚が低く振り抜かれる
鈍い音
それでも相手は体勢を立て直そうとするが
踵落としが肩口に落ちる
「ぐぁ!」
一人目、沈む

二人目が背後から掴もうとする
紅海は気配を感じ
肩をわずかに引き、相手の手首をわきで挟む
そのまま体重を掛けて体を落とす
腕の損傷に気を取られている隙に手刀が首筋へ入り意識が飛ぶ

伏黒は呆気に取られて傍観している

3人目は、距離を取っている…
紅海がフェンスに手を振れると、呪力が籠り
フェンスがうねり、身体ごと包む

他の術師の声が聞こえる
「やっぱり、アレを使うか?」
「勿体ないが、しょうがない」

何かの呪具か、術式?
紅海の視線が一瞬だけ地面へ落ちる

でも、触れさせなければいい!
紅海は腰を低く落とし、掌を地面にあてる、静かに呪力が流れる
次の瞬間
アスファルトが波打つ
まるで地面が呼吸したように盛り上がり
呪詛師の足首を引っ掛け体勢が崩れる

その一瞬で紅海は円を描く踏み込みで距離を詰める
相手は動きが読めない
鳩尾へ正確な掌底
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