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【呪術】もしも、希望の隣に立てたなら。【廻戦】

第19章 呼び捨てと歓迎会


三月も後半
高専の敷地に、まだ少し冷たい風が抜ける
寮の前には段ボール…

今年の一年は一人だけだと聞いていた
釘崎野薔薇は祖母の説得に難航しているらしい

紅海が、チラッと寮の部屋を覗くと五条が出てくる

「じゃじゃーん!伏黒恵くんで~す!
僕の秘蔵っ子ベスト3くらいには入るよね?ね?ね?」

担任とは思えない軽さで紹介する五条は
伏黒恵の肩に腕を乗せて体重を掛ける
伏黒は小さく眉を寄せる

「ちょ、もう良いですから」
『伏黒くん、初めまして…副担任になる予定の流鏑馬紅海です』

「……っす」
低い声
視線は控えめ…けれど、立ち姿はしっかりしている

胸がくすぐったくなる
初々しくて、かわいー!と、心の中でテンションが上がる
私たちも、十数年前はこんなふうだったのだろうか
自分は、あの頃は必死で、周りなんて見えていなかった気がする

『学校案内しようか?荷物、手伝う?困ったことあったら何でも言ってね?相談も聞くし』

「ちょっと、紅海〜、恵に世話焼きすぎ!」
五条が肩をすくめる

『え?親御さんから預かる大切な生徒さんなんだよ…大切にしなきゃ』
すると、伏黒は淡々と告げた
「流鏑馬先生、気にしなくていいですよ
俺、親いないんで…」

一瞬、空気が凍る
『えっ……』

すかさず五条が、わざとらしく声を張る
「やだぁ、紅海ちゃん!
僕の恵ちゃんを取らないでちょうだい!
ほら、恵ちゃん、お部屋のお片付け行くわよ!」

「なんすかそれ…俺一人で出来るって…っわ!」
騒がしく部屋に消える二人
いつもより、五条のテンションが高い

少しして、ひょいと顔だけ出した…
「紅海〜!今日、紅海んちで
恵の歓迎会するから、準備よろしく〜!」
『えっ!?ちょっと!お祖母ちゃんいるんだけど!?』
返事も待たず、扉が閉まる

浅葱に電話を入れて、急だと少し怒られたが、
準備をするために早く帰ると約束して
仕事を片付けに職員室へ戻る


仕事を片付ける前に、入学書類を開く
伏黒恵。二級呪術師。禪院家の血筋。
『……優秀』

あの年齢で二級…
真希ちゃんや真依ちゃんの親戚なのかな
京都にいたけど、禪院の家系って複雑すぎて解んないんだよなぁ…
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