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【呪術】もしも、希望の隣に立てたなら。【廻戦】

第17章 孤高と孤独


「まぁ、良いよ、おいおい聞く事にしよ
何か問題が起きた時は頼ってくれて構わないんだよ?
その方が解決するのが早くなる場合もある
私も流鏑馬さんに頼る事があるだろうし、持ちつ持たれつってやつだよ」

その言葉は、静かに胸へ落ちる
自分に頼ってくれる前提で、話している
夏油くんも、同じ地面に立ってくれてるんだ
少しだけ自己肯定感が上がった感覚

紅海の指先が、石段をなぞる
『夏油くん、考え方、大人すぎない?』
「そう?」

「悟もワンマンだけど」
夏油が空を見上げる
「まぁ、流鏑馬さんの力が必要な時もあると思うし
もしかして…悟に頼るのは嫌い?」
紅海は少し考える
『そうじゃないんだけどね
何でも五条くんが何でも解決するとかは
ヤだなって思ってる…
それに、守られるよりも、皆と対等に並びたくて』

それが本音
守られると、置いていかれる気がする
夏油は横目で紅海を見る
「並んでると思うけどね?」

『でも2人が、傑、悟って、呼び合ってるの
羨ましいもん…私も呼んでみたくなる…あっ』
言ってしまった…と言う顔

『ほら!タカとユージみたいで…』
羨ましがったのを誤魔化してみる

タカとユージ?と夏油が首をかしげる
お婆ちゃんが好きなんだよ…刑事ドラマの主役コンビ
カッコいいんだよ、いつも余裕な感じで…
と、補足する

夏油が目を細め肩を揺らして笑う
「ぷ、ははっ、やっぱり面白いね」
『だってさ…名前で呼ぶって、対等って感じしない?』
「じゃあ、呼べばいいよ」
あっさりと言われた事に紅海が固まる

『え』
夏油は少しだけ、意地悪く笑う
「ね、紅海?」
一瞬、時間が止まる
自分の名前を夏油が呼ぶ
慣れていない響き

胸が小さく跳ねる

「ほら、簡単だろう?紅海も呼んでみてよ?」
優しい声

息を吸うが、空気だけ出る
もう一度、息を吸う…
『す……す、ぐる』

小さくぎこちない…

夏油が穏やかに笑った
「うん…ファーストコールとしては上出来」

紅海は嬉しさを噛み締める
『実はね、わたしさ、男子の友達はいなくて
だから、男子を名前で呼ぶのとか憧れてた』
女子の親友と呼べる子もいなかったが
ちょっと見栄を張る

夏油は、嬉しそうな紅海の話が終わるまで
ゆっくりと彼女を見つめて待つ
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