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【呪術】もしも、希望の隣に立てたなら。【廻戦】

第17章 孤高と孤独


「何を混ぜたかって?企業秘密だよ
なるほど、バカ舌かと思いきや、悟の舌は繊細らしい」
夏油は、わざとらしく肩をすくめて冷静だ

「ふざけんな!」
悟が身を乗り出す

「五条、その前に、紅海に、かかってる〜」
硝子が呆れながら、おしぼりで拭く
『いいよ、大丈夫だから…
どうせ、帰ったらお風呂入るし』
紅海は自分でも、拭きながら笑顔だ

悟の動きが止まる
「あ、悪い…」珍しく素直
『大丈夫だよ』紅海は、また笑う
その笑顔が、妙に腹立たしい

「は?何だよ、流鏑馬、もっと怒れって」
『別に、こんな事、平気だよ…大丈夫』

「バカなの?平気じゃないだろ!
大丈夫ばっか言ってんじゃねーよ!
人に気使って、強がんな!」
紅海は、ハッとする
でも、それが今まで染み付いてきた自分の生き方だ

テーブルに手をつく
「平気なふりして笑うなよ!
誰だよ、こんな事したの…
…って、俺だよ!」
五条は自分で自分に余計に苛立つ

『ぷっ、ふふふっ』
紅海が両手を口に持っていき、吹き出す…笑いが止まらない
「なっ!?だから笑うなって!」
怒鳴っているのに、もう本気で怒っていないのが解った
『五条くん、ありがとう』
「は?」
予想外な返事
『じゃあ、デザートおごって欲しい…それでチャラで良い?』
いつも遠慮している紅海にしては、大胆なお願いだった
悟が一瞬固まり、傑と硝子が同時に注目する

「…は?」
『嫌?』
首をかしげる
無自覚に距離を詰める仕草

悟は舌打ちしながら、頭をかきかき
ドカッとソファに座る
「分かったよ!何でも頼め!」
「太っ腹だねぇ、ごちそうさま」
傑が笑う
「やったー!」
硝子がストローを咥えて回す
「待てよ!お前らのは承諾してない!」
『えへへ…何にしようかな』

紅海はメニューを開くふりをして
悟をちらりと見る
サングラス越しの横顔

最強で自信家で子供みたい
でも…さっき、"もっと怒れよ!"と言ってくれた時
我慢するなよ!って言われたみたいだった

五条君は、今までのイジワルな男子とは、
ちょっと違うイジワル…
イジワルなのにイジワルじゃない時が有る
さすが五条家、良いところの出だから
イジワルも上品なのかな?
と、紅海は少し変な思考を巡らしながら
デザートを頼んで堪能するのだった
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