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【呪術】もしも、希望の隣に立てたなら。【廻戦】

第16章 春休みと経験値


五条が、ふっと笑った
「だから無防備すぎだって」
一歩、近づき肩に触れられる
「僕が悪い男だったらどうするの」
責める口調なのに、低くて柔らかい
街灯に照らされた影が重なっていく

鼓動が速い…
このまま…流れに身を任せても良いのかな?
悟なら大丈夫…と身体が判断しているのか身を任せる
五条が少しだけ顔を傾ける

今ならまだ、拒否だって出きる
その瞬間…
「何をやってんだい、玄関先で」

振り返ると、祖母の浅葱が立っていた
ビクッと紅海の肩が跳ねる
『おば、お祖母ちゃん…あ、えと』
浅葱は、真っ直ぐな目で二人を見る

五条は静かに離れて
「こんばんわ」と余裕の笑みで返す

浅葱は、じっと五条を見る
値踏みする目だ…

「うちの孫に覚悟もなく触れるんじゃないよ」
怒鳴らないが、言い訳はさせない強い言葉

五条の笑みは崩れない
「覚悟ね」

見抜かれている気がした
断られても、冗談に逃げるつもりだったし
もしキス出来ても、都合の良い言い訳を言っていたかもしれない

うるさいな…と感じてしまう
最強でいつづける重さも、最強が故の余裕も孤独も
あんたは知らないだろ

でも同時に理解している
この人は命の重みを知っている呪術師だ
だからこそ、その言葉は正しい

「紅海、戸締まりちゃんとするんだよ」
いつも通りの軽さで手を振って
「じゃ、失礼します」
浅葱に軽く一礼して去る


――――――――
扉が閉まる音…静寂
紅海の心臓はまだ速い
良く考えると、悟が自分にキスするなんてあり得ないのに
私を、からかったのかな
でも…
肩に触れた手の温度を思い出すだけで、胸が騒ぐ

「紅海」浅葱の声に姿勢を正す
「あの男とは、どういう関係だい」
『え、いや、そんなんじゃないよ…
高専時からの友達…多分、私が危なっかしいから
気にかけてくれてるんだと思う』

「付き合う前から、ああいう真似はするもんじゃない
中途半端な、あんな男に振り回されちゃダメだ」
その声に怒りではない
ただ、紅海を守る意思が有るからだ

小さく息を吸い
『悟は、そんな人じゃないよ』
言い切る

けれど浅葱は即座に返す
「本気かどうか分からない目をしていたよ」

本気じゃない…か
…軽い気持ち?って事かな

でも拒否できなかった自分もいて
紅海は困惑する
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