第16章 春休みと経験値
春休みに入って授業自体はなくなる
その代わり、新学期に向けての準備が必要な時期
授業は無いので、1年達は、それぞれ自分達のやりたいように過ごす
それが、任務を引き受ける事でも帰省する事でも構わない
紅海はと言うと今日は例の社会勉強の飲み会だ
店は、よくある駅前の居酒屋だった
「今日は時間を作っていただき、ありがとうございます
右から…高木くん菊池くん、太田さんです
高木君、菊池君は、丁度、私が退職する前年に入社して
私が教育係を担当していました
太田さんは、会社の受け付けをしているので
いろんな方と面識が有りますし…顔が広い」
七海は、きっちりと仕切る
紅海の紹介は
七海の高校時代の先輩後輩の仲で、現在は教師
閉じた環境にいるから、企業勤めの人と交流したい、という設定だ
自分で望んだとはいえ、ソワソワ落ち着かない
「七海さん、こんなに可愛い後輩いたんですね!」
「菊池くん、流鏑馬さんは僕の先輩です」
七海の訂正は淡々としている。
「え?先輩!?マジで?七海さんより年上!?」
菊池が目を丸くする
と、同時に同姓の太田の目がキラキラする
「え、流鏑馬さん、化粧品って、どこのメーカー使ってる?肌年齢若そう」
『え、えへへ……
えっと、スーパーのオリジナルのブランド?…安いやつ
ごめんなさい、私あんまりメイクとかしなくて
今日も久しぶりな気がする』
「うわー!七海さん!流鏑馬さんに、メイク教えたい!」
『えっ、それ嬉しいかもです』
私も何か話さなきゃと、話題を慌てて振る紅海
『えっと、皆さんは、仕事が、お休みの時は何してるんですか?』
「俺は、特に…強いて言えば猫?猫飼っててね、可愛いんだよ」
「うーん、自分はフットサルとか?仕事終わりにもちょっとだけ」
と、菊池と高木がナチュラルに答える
『ふ、フットサル…サッカーみたいなやつ?』
「あ、そうそう、高校で部活とかで無いですか?」
教師という設定を思い出し、言葉を選ぶ
『あ!部活は、帰宅部一択で…放課後は寮に帰るか、じゅ………掃除?駆除?みたいな』
「ぶは、何それ、面白い」高木が興味津々だ
「なるほど、何でも屋のバイトを
生徒たちがしていると言うことですね」
七海がすかさずフォローに入る