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【呪術】もしも、希望の隣に立てたなら。【廻戦】

第3章 呪霊と分岐点


「…ここが教室だ」
教室の扉が開くと同級生3人の視線が一斉に集まる
心臓の音が、うるさい
夜蛾に促され、黒板の前に立つ

「自己紹介を」
息を吸う
——ちゃんと、やらなきゃ

『 流鏑馬 紅海です!』
声が、少し裏返る
『わたくし! 不束者ですが! 宜しくお願いいたします!!』

一瞬の静寂

次の瞬間

「ぶっは!」
破裂音みたいな笑い声。
「おもしろい。こっちおいでよ」

そう言って手招きしたのは、少し煙草の匂いがする子だった
「私、家入硝子。よろしく〜」

力の抜けた自己紹介
それだけで、空気が少し緩む。
(……あれ?)
紅海は瞬きをした
真面目に挨拶したつもりだったんだけど
(まぁ……つかみは、OKってことにしよう。うん)
そう自分を納得させて、席に向かう。

残りの男子二人は、 紅海から視線を外すと雑談をしていて
夜蛾の話など聞いていない

席に着いてから、改めて振り向く
『あの…宜しくお願いします』
二人の方を向いて、ぺこりと頭を下げる

黒髪で、耳元にピアスのある男子が、にこやかに応じた
「宜しく。私は夏油傑…で、こっちが」
それから、隣の男子を肘で軽くつつく
「ほら、悟」

前の席の白髪の男子が、面倒くさそうに振り返る。
「ぁあ……五条悟」
短いし興味なさそう

『…五条』
(そういえば…お祖母ちゃんが言ってたっけ
すっごい呪術師の家柄の子がいるって)

紅海は、もう一度その白髪を見る
『わぁ、良かったぁ…五条君が普通の男の子で』
表情がゆるむ…ふにゃっとした、心からの笑顔

その瞬間、教室の空気が凍った

硝子が瞬きをする
夏油が吹き出す
夜蛾が、咳払いをする

五条悟だけが、数秒遅れて理解した。

「……はぁ!?」
五条の顔が歪む

紅海は、気づかない

自分が今、
“五条家の天才”“将来の最強”のプライドを、
一言で粉砕したことを

ただ、安心しただけだった。
五条家の事を祖母から聞いてハードルが上がっていた
それが、普通に話せそうな雰囲気の子で良かったなと…
その無邪気さが、今後、五条悟に雑に扱われ、何かと張り合われるのだが、それはまた別の話
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