第3章 幕間1
「“監視”だけの任務にしては、だいぶ対象に入れ込んでいるようだけど」
「兄者、観測対象を外部に出すわけにはいかないし、鶴丸は規定外の行動をした訳では……」
膝丸の言葉を遮って鶴丸は短く答えた。
「任務を遂行しているだけさ」
「ふうん……」
髭切は意味ありげに相槌を打つ。
「でもさあ、白丸。最近ちょっと変わったよね」
空気がわずかに張り詰める。
「対象は対象。人間だし、審神者だけど、今は政府の管理下にある存在だ」
「分かってる」
鶴丸は笑みを浮かべた。
「俺は刀だ。人の情に振り回されるほど、出来ちゃいない」
「本当かな?」
髭切は首を傾げる。
「二週間以上、同居して、看病までして。それで『情がない』は、ちょっと無理があるんじゃない?」
鶴丸は何も答えなかった。