第18章 迷宮-ザガン-
そして、これからは慎重に進んで行こうということになった直後に悲鳴が聞こえた。
きゃぁぁぁぁ!!
アリ「今の声っ!!」
アラ「っ!行こう!!」
私たちは声が聞こえた方へと急いだ。
声のところまで来たら村人と思われる少女が迷宮生物に襲われていた。
すかさず私はその子に群がる生物達を蹴り飛ばして追い払った。
レイ「大丈夫?」
・・・この子…船で私たちを送って来てくれた子だ。ちゃんと術で送り返したはずなのに…。
そう声をかけたが黙ったままだった。
レイ「…ねぇ、貴方は自分でここに入ってきた?」
私は思いついたことを聞いてみたら少女は顔を上げた。
当たりだったみたいだ。
私はゆっくりした口調のまま尋ねた。
レイ「ここがどんなとこか知ってて入ってきたんだよね?目的が何か聞いてもいい?」
その質問に答えたのは少女ではなく白龍だった。
白「…その子は父親を探しにきたんです。僕がもっと強く止めておくべきでした。」
・・ちゃんと言っておけばここまで入って来なかったはずなのに
少女は白龍を見てからコクんと頷いた。
この子の父親は迷宮に喰われてしまって帰って来ないそうだ。探しに行こうとするが、村の大人達に止められ中々行けないでいた時に私たちがやって来たらしい。
そして、この機に乗じて父親を探しに入ったそうだ。