第16章 シンドリア
このあとジュダルとシンドバッドさんが言いあった結果どうやったのは定かではないが、ジュダルと紅玉の従者の人が帰ることになったみたいでシンドバッドさんに追い立てられていた。
私はジュダルが何故シンドバッドさんにこれ程までに警戒されているのか知らないから、ちょっと可哀想に思いつつも見送った。
その後、紅玉さんと白龍さん達と共に私たちは城へと帰った。
白龍はシンドバッドさんと話があるということで、そのまま応接室へと消えて行った。
取り残された私と紅玉さんは「どうしようか?」と苦笑しながら庭を歩いていた。
しばらくの間は無言でゆっくりと庭を歩いていた。
すると紅玉さんが突然真剣な顔をして口を開いた。
紅玉「レイ、あなた記憶が無いというのは本当なのぉ?」
レイ「うん、本当。ごめんね、思い出せなくて…」
紅玉「それはいいのよぉ!仕方ないじゃない忘れたくて忘れた訳ではないのでしょ?」
レイ「もちろんです!
どうやったら思い出せるんだろ…早く取り戻したいよ……」
俯いて小さな小さな声で呟いた。
そんな声でも周りに誰もいないせいで辺りは静まり返っているせいで私の声はよく響いた。