第16章 シンドリア
レイ「…あれ?……ねえ、ジュダル。浮遊魔法解いてる??」
ジュ「あ?んなわけねぇ…だ、ろ…って!解けてんじゃねぇか!!」
ヤベェ!と直ぐに魔法をかけ直そうとジュダルは杖を構えようとした。
レイ「あ、ちょっと待って!ちょうどいいからこのまま落ちよ!」
そう言ってジュダルの杖を奪い、腕を背中に回させて身動きを取れなくした。
ジュ「はあぁぁぁ!!!
お前、ふざけんな!離せっ!」
ジタバタと暴られたが私は全力で抑えた。
そうしているうちにどんどん地面は近づいて来て、シンドバッドさん達も目視出来るようになった。
向こうのみんなも私達のことを見つけたようで、こちらを指差して何やら言っている。
私は「そこ開けて下さーい!!」と大声で叫んだ。
私の声はちゃんと伝わったようで、私達の真下を開けてくれた。
レイ「大丈夫、任せて。
大気に眠る子よ 我の声に応えて。
我が身を包み、守護せよ」
明瞭な声を大気に響かせた。
レイ「さあ、起きて。
大気に眠る子よ、我を静かに地に降ろし給え」
唱え終わると私とジュダルの周りに薄いベールの様な淡い光の膜ができていった。
それと同時に段々と落ちるスピードが弱まって行き、もう直ぐで地面だ!という時には殆ど止まっており、何の衝撃もなく無事に地面に降り立った。
レイ「ハイ!到着だよ!」
私は羽交い締めにしていたジュダルを自由にして、シンドバッドさん達に「心配をお掛けしました」と言った。
その時、私の見知らぬ人が3人増えていることに気がついた。
1人目は、頭に綺麗な簪を挿している少女。
2人目は、顔に大きな火傷の傷がある少年。
3人目は、眼鏡をして変な扇を持っている男性だ。