第16章 シンドリア
いきなりのことでシンドバッドさん達も反応が遅れてしまい現在私はジュダルの腕の中だ。
フィルで攻撃して逃げようと思ったが彼の顔を見たときに何かを我慢してるような、耐えているような顔をしていて…私は攻撃することができなかった…。
私は彼の表情の意味が気になった。
レイ「……どうして、そんな顔をしているんですか?」
・・・とても辛そう
私はこんな上空にいることも忘れてそう聞いてしまった。
ジュ「本当に俺のこと忘れてるのか?」
レイ「…はい、本当です。…ごめんなさい。
…私の記憶喪失の所為で多くの人に迷惑をかけてる、本当に申し訳ない」
ジュ「そうか、本当なんだな?
なら、もう一度だけ名前を教えてやる!
次はねぇからな!!」
・・初めはバカ殿の冗談かと思ったら違うのかよっ…
……何でこんな気持ちになんだよ。
レイ「!本当?
ありがとう!!もう絶対に忘れないから、貴方の名前を大切にするって約束する!」
ジュ「お、おう///そんじゃしっかり覚えろよ?
俺の名前はジュダルだ!」
・・なんなんだこの気持ち。
レイ「ジュダル…ジュダルね!
もう忘れないから!
そんな悲しい顔はしないでね?とても辛そう」
私は嬉しくて何度も名前を繰り返した。
そして、
私は自身の言葉の誓いとしてジュダルの手の甲に軽くキスをした。
ジュ「なっ///」
・・・っこいつ!
レイ「クスクス、ジュダル照れすぎだよ。
これでちゃんと約束したから。
私はそれに誓ってもう忘れない」
ニコリと微笑んでジュダルを見つめた。
ジュ「うっせ‼︎
…絶対だからな」
・・約束、破んじゃねぇぞ。お前に忘れられるのは、嫌だ。
ジュダルは私から目をそらしていた。
その顔が赤く染まってことは耳まで真っ赤だからすぐにわかった。
ジュダルの視線は先程私がキスした手の甲に注がれていた。