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稀人 ~異国の姫~

第13章 心の傷







外に出れば火の海となっている町が目に入った。



まるで地獄のような光景。
もう流す涙も枯れ果てていた。





私が町に下りた時に優しくしてくれたパン屋さんのおばちゃん。
よくお菓子をくれたお、肉屋さんのおじいちゃん。
色々な話をしてくれた本屋さんのお姉さん。





みんなみんな動かなくなっていた





私は誰も守れない。
力はあるのに守れない。






なんで?なんで?こんなことになったの?
もう、誰も傷付いて欲しくないよ…






私の頭には彼奴の顔がフラッシュバックしていた



この国を、家族を、みんなをメチャクチャにした彼奴の顔







絶対に私が、コロシテヤル










私の中に仄暗い感情が灯った





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