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稀人 ~異国の姫~

第13章 心の傷






「姫、もういきましょう。ここもいつまた軍のやつらが来るかわかりません」


「いや!とおさまをおいてなんて!とおさまが独りになっちゃう!!」


「姫!貴女は生きないとなりません!もし貴女がここに残って彼奴らにつかまったら陛下…貴女の父様の命に意味がなくなってしまうのですよ?
貴女は多くの命のバトンを受け取って生きなければなりません。貴女が死ねば今まで貴女に託されたもの達のバトンが、ムダになってしまう」



「命のバトン…。わたしが、まもれなかったみんながわたしに?
どこ、なの?…ないよ、そんなの…」
・・・わたしはなにもまもれてないのに…




「命のバトンは貴女の命に繋がっているのですよ、貴女が生きている限り、貴女の中で貴女と共に生きています。
だから、どうか生きてください」


「う…うう。…わかった。生きる。みんなのバトンは、はなさない。」



「ありがとうございます。姫」



私は涙を拭い立ち上がった



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