第4章 同じ時間を過ごす
腕が獣の形へと変わり、
美しく輝く白い毛並みが一気に広がる。
背骨が軋む。
足の爪が地面を掴む。
両手が地面につき、完全なる白い狼へと姿を変えた。
「ガルルルッッォオオーーーン」
自分の声を聞き、理性が、薄れる。
耳を覆いたくなるような凄まじい獣の遠吠えが合宿所を包む。
「下がれ!!」
相澤の声が鋭く響いた。
次の瞬間。
捕縛布が宙を舞い、瞬時に獣を捉える
相澤の視線が、白井を捉え赤く光る。
「よく頑張った」
小さく、そして耳元で囁いた。
一瞬で、体から力が抜けた。
白い狼の姿が、
崩れるように消え、
人の形へ戻る。
「……」
衣服を失った白井が現れ、そのまま地面に倒れ、
意識を失った。
⸻
「……!」
合宿所が、静まり返る。
誰も、声を出せない。
目の前で起きたのは、
事故でも、敵襲でもない。
**“仲間の個性”**だった。
「……今の」
麗日お茶子が、かすれた声を出す。
爆豪は、歯を食いしばっていた。
心操は、目を逸らさずに立っている。
轟は、静かに状況を見ていた。