第4章 同じ時間を過ごす
スポーツ用品売り場。
「これ、動きやすそうだぞ!」
切島鋭児郎がジャージを掲げる。
「……少し厚いな」
轟焦凍が冷静に指摘する。
「夜は冷えるが、昼は動きにくい」
「そこ気にする?」
上鳴が笑う。
「実習では重要だ」
真顔で返され、周囲が笑う。
そのやり取りを見て、
白井は小さく息を吐いた。
――自然に、ここにいる。
それが、まだ少しだけ信じられない。
⸻
「……おい」
低い声が後ろからかかる。
振り向くと、
爆豪が腕を組んで立っていた。
「サイズ、合ってんのか」
「……多分」
「多分じゃ足りねぇ」
そう言って、
別のサイズのジャージを取って差し出す。
「試せ」
命令口調。
でも、雑じゃない。
「……ありがとう」
白井が受け取ると、
爆豪はすぐに視線を逸らした。
「かっちゃん、普通に面倒見いいよね〜」
三奈がにやっとする。
「うるせぇ。かっちゃんとか言ってんじゃねよ。」
即答。
でも、否定はしない。
白井は、胸の奥がほんのり温かくなるのを感じた。