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オオカミ少女は愛の夢を見る

第3章 知られていくこと


一日の授業が終わり、
教室にはいつものざわめきが戻っていた。

白井は席に座ったまま、
ノートの同じページを何度も見返している。

――判断、遅れたかもしれない。

今日出された課題。
戦闘シミュレーションの分析レポート。
答えは分かっている。でも、“書き方”に迷っていた。

感覚で動いてしまった部分を、
どう言語化すればいいのか。

「……」

視線を上げる。

教室の少し前方。
腕を組み、椅子を後ろに倒している
爆豪の背中が見えた。

——聞くなら、今だ。

立ち上がり、
迷いなく近づく。

「……勝己」

名前を呼ぶと、
爆豪はゆっくり振り向いた。

「何だ」

「課題で……少し聞きたいことがある」

一瞬の沈黙。

「分かんねぇなら、最初からそう言え」

ぶっきらぼうに立ち上がる。

「寮でやるぞ」

それだけ。

「……え?」

一番に声を上げたのは、
上鳴電気だった。

「今、何つった?」

「寮で……?」
芦戸三奈が瞬きをする。

「え、二人で?」
麗日お茶子が思わず聞き返す。

教室が、一瞬ざわつく。

「いやいや待て待て!」
上鳴が声を張る。
「いつの間にそんな関係に!?」

「関係とかじゃねぇ」

爆豪が即座に切り捨てる。

「課題だ」

「いや、それがもう怪しいんだって!」
三奈が笑いながら言う。

白井は、少しだけ居心地悪そうに視線を逸らした。

「……ごめん」

「謝るな」

爆豪が短く言う。

「行くぞ」

それで話は終わった。
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