第2章 距離を、選ぶ
心操side
……ああ。
納得、という感覚。
目立たない服。
でも、埋もれない。
「……らしいな」
それだけ。
シンプルで飾り気がない彼女がいつもより浮き出て見えた。
可愛いとか、
綺麗とか、
そういう言葉は必要ない。
すらっとした手足が彼女が人並み外れたスタイルの持ち主なんだなとか改めて実感した。
隣に立っても、無理がない。
それが一番だ。
三人とも、
同じことを思ったわけじゃない。
でも。
“いつもと違う彼女”を見て、
ほんの一瞬、
胸のどこかが揺れた。
それだけ。
白井狼薇は、
その視線の意味を知らない。
ただ、私服のまま、
クラスメイトの輪の中に立っている。
それだけだった。