第2章 距離を、選ぶ
駅前の広場。
集合時間より少し早く着いた白井狼薇は、
人の流れを避けるように端に立っていた。
制服じゃない。
私服。
それだけで、
いつもの距離感が、少しだけ変わる。
爆豪side
……は?
一瞬、誰だか分からなかった。
ラフな服装。肌にフィットした白いTシャツ、長い足をより強調できるスキニージーンズ。
動きやすそうで、余計な飾りはない。
なのに――
「……」
言葉が出ねぇ。
派手でも、色気でもねぇ。
ただ、
クラスにいるときより、無防備に見える。
「チッ……」
視線を逸らす。
可愛い、なんて言葉は
一生使わねぇ。
でも。
「……調子狂うわ」
熱くなる顔の理由を探していた。
轟side
雰囲気が、少し違う。
制服のときより、
肩の力が抜けているように見えた。
無理をしていない。
背伸びもしていない。
「……似合ってるな」
声に出すつもりはなかったが、
自然とそう思った。
可愛い、というより、
そのままでいる感じがいい。
だから、
何も言わないでおこうと決める。