第8章 ぬくもりに、名前をつけるまで
爆豪side
最近、おかしいのは、
白井じゃない。
——俺だ。
朝。
目を覚ました瞬間に思う。
——あいつ、起きてるか。
スマホを見る。
通知は、まだない。
……別に。
連絡が来る時間でもねぇ。
なのに。
「……チッ」
無意識に舌打ちしてる自分に気づく。
教室。
席に着く前から、
視線が探してる。
白井狼薇。
見つけると、
それだけで胸の奥が落ち着く。
——何だこれ。
——前は、
——こんなことなかった。
「……勝己」
名前を呼ばれる。
振り返ると、
白井が立っている。
「……おはよう」
「……おう」
それだけ。
なのに。
そのまま隣に座られると、
肩の力が抜ける。
——完全に、
——日常の一部だ。
昼休み。
白井がクラスメイトと話してるのを、
少し離れたところから見る。
笑ってる。
楽しそうだ。
……それでいい。
——いい、はずだ。
なのに。
知らねぇ一年の男が、
少し距離近くねぇか。
「……」
気づいたら、
立ち上がっていた。
自分でも驚く。
——行く気か、俺。
結局、
白井が気づいてこちらを見る。
目が合う。
にこっと笑う。
——それだけで、
——足が止まる。
「……」
……何やっとんだ。