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オオカミ少女は愛の夢を見る

第8章 ぬくもりに、名前をつけるまで


軽く。
ほんの少しだけ。

「……重くねぇか」

「……ちょうどいい」

即答。

白井は、
そのまま爆豪の服を掴んだ。

「……勝己」

「……何だ」

「……好き」

いつもより、
距離が近い。

爆豪の心臓が、
はっきりと音を立てる。

「……最近」

低い声。

「……甘えすぎじゃねぇか」

「……うん」

迷いなく頷く。

「……だって」

一拍。

「……甘えていいって、
分かったから」

その言葉に、
爆豪の喉が鳴る。

——完全に、
——信じてる。

「……クソ……」

爆豪は、
白井の背中に腕を回した。

引き寄せる。

逃げ場はない。

「……それ以上やったら。
 ……俺ぁ、甘やかし殺すぞ」

白井は、
少しだけ驚いた顔をして——
すぐに、安心したように微笑った。

「……いいよ」

「……勝己なら」

その一言で、
爆豪の中の何かが崩れた。

「……覚悟しとけ」

「……?」

爆豪は、
白井の額に、
軽く口づける。

キスじゃない。
でも、
十分すぎるほど甘い。

「……今まで」

「……俺が前に立ってた分」

「……これからは」

一拍。

「……全部、受け止める」

白井は、
爆豪の胸に顔を埋めた。

「……ありがとう」

「……幸せ」

その言葉を聞いた瞬間、
爆豪ははっきりと理解した。

——甘える側になった白井は、
——想像以上に、
——破壊力がある。

「……ほんと」

小さく呟く。

「……俺ぁ、戻れねぇな」

でも。

それでいいと思った。

白井が、
安心して眠そうに目を閉じるのを見ながら、
爆豪はそっと抱き寄せた。

恋は、
深くなるほど、
静かに溺れていく。
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