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オオカミ少女は愛の夢を見る

第8章 ぬくもりに、名前をつけるまで


食堂。

席に座ると、
爆豪は自然に白井の隣を選ぶ。

「ねえねえ、今日も一緒?」

そんな声が飛ぶ。

「当たり前だろ」

爆豪が、先に答える。

白井が口を開く前に。

「……」

クラスメイトたちは、
もう驚かない。

「もう完全に
公認どころか固定だよね」

「爆豪がここまで
堂々としてるの珍しい」

白井は、
少し照れながらも、
逃げない。

——逃げなくていい。

それが、
爆豪の隣だから。

放課後。

人の多い昇降口。

「……狼薇」

「……なに?」

「……疲れてねぇか」

「……大丈夫」

そう答えた瞬間、
爆豪は白井の肩に
軽く腕を回した。

——軽く。

でも、
離れない。

周囲が、一瞬静まる。

「……勝己、ちょっとっ!」

「んだよ。いいだろ。」

低く言う。

「……誰が見てようが、関係ねぇ。
 ……俺ぁ、お前の隣にいる」

その言葉に、
胸がじん、とする。

「……」

白井は、
そっと爆豪の服を掴んだ。

「……ありがとう」

「……何がだよ。」

「……好きでいてくれて。もう、視線は気にならなくなったの?」

爆豪は、
少しだけ考えてから言う。

「……前は、……奪われる気がして、嫌だった」
 ……でも今は」

一拍。

「……俺が選ばれてるって、分かってるからな。
 ……だから、余裕だわ。」
息を吐いて、顎を上にあげ、余裕いっぱいに笑った。

白井の胸が、
いっぱいになる。

——独占じゃない。
——信頼だ。

「……勝己」

「……ん?」

「……好き」

人前でも、
はっきり。

爆豪は、
一瞬だけ眉を動かしてから、
小さく言った。

「……知ってる。……俺もだ」

——不意打ち。

白井の顔が、
一気に赤くなる。

「……今の……!」

「……言った。もう気にしねぇ」

視線も、
噂も。

全部。

「……俺は、お前と一緒にいる」

それだけ。

白井は、爆豪の腕に
そっと身を寄せた。

——見られてもいい。

——噂されてもいい。

——この人が、
——隣にいるなら。

爆豪は、
もう視線を気にしなかった。

それは、
余裕であり、
覚悟だった。

恋人として。
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