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オオカミ少女は愛の夢を見る

第8章 ぬくもりに、名前をつけるまで


最初に変わったのは、
爆豪の“立ち位置”だった。

昼休みの校内。

白井が歩いていると、
自然と視線が集まる。

一年生。
他クラス。
ヒーロー科以外の生徒。

——前なら、
——それだけで少し身構えていた。

でも今は。

「……おい」

低い声。

気づいた時には、
爆豪が隣にいる。

肩が、
当たり前みたいに触れる距離。

「……人多いな」

「……うん」

白井が答えると、
爆豪は何も言わず、
そのまま歩幅を合わせた。

周囲の視線?
気にしていない。

むしろ。

「……見るなら、勝手に見てろ」

ぼそりと呟く。

白井が、
思わず見上げる。

「……勝己?」

「……あ?」

「……今、何か言った?」

「……別に」

そう言って、
白井の手を取る。

指を絡めるわけじゃない。
でも、
しっかり繋ぐ。

——堂々と。

白井の心臓が、
どくん、と鳴る。

「……!」

「……何赤くなってんだ」

「……こんなとこで。
 ……目立つよ」

小声で言うと、
爆豪は即答した。

「……だから何だ」

一切、
迷いがない。

「……恋人だろ」

「……隠す理由なんざ、もうねぇ」

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