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オオカミ少女は愛の夢を見る

第8章 ぬくもりに、名前をつけるまで


それは、
A組の中だけの話じゃ、終わらなかった。

「ねえ、聞いた?」

「2年A組の……爆豪先輩、
白井先輩と付き合ってるんでしょ?」

昼休みの校内。
そんな声が、あちこちから聞こえるようになった。

爆豪勝己。轟焦凍。

もともと一年生の頃から、
学年を超えて名前が知られていた二人。

そこに——
“公認カップル”という肩書きがついた。

噂は、一気に広がった。

「白井先輩!」

放課後、廊下で呼び止められる。

振り返ると、
少し緊張した顔の一年生の男子。

「あ、あの……
ヒーロー科1年の……」

「何か用?」

丁寧に返すと、
その子は少し顔を赤くした。

「前に、合同訓練で見てて……
 すごくかっこよくて……
 よければ、今度話とか……」

——増えていた。

こういう声かけ。

本人は知らなかったけれど、
白井は、
一年生の中でも“憧れの先輩”になっていた。

「……ごめんね」

白井は、
少しだけ困ったように微笑む。

「恋人がいるから」

その瞬間。

「……は?」

低い声。

背後から、
強い圧が来る。

「……何、
口説いてんだ」

爆豪だった。

一年生が、
一瞬で凍りつく。

「ば、爆豪先輩……!?」

「……用がねぇなら、消えろ」

殺気はない。
でも、
有無を言わせない圧。

「す、すみません!!」

一年生は、
逃げるように去っていった。
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