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オオカミ少女は愛の夢を見る

第8章 ぬくもりに、名前をつけるまで


その日の夕方。

教室に残っていた白井は、
ついに誰かに聞くことにした。

「……心操」

心操人使が顔を上げる。
「……どうした?」

「……変な質問、していい?」
申し訳なさそうな声。

「まぁ、質問にもよるけど、どうしたの?」
苦笑いをしながら白井の目を見る心操。

「あの、……恋人って、その、、」
少し間を置いてから。

「……キスの次に、何をするの?」

心操は、一瞬驚いた顔をしてから、
小さく息を吐いた。

「……急だな」

でも、真剣な声で続ける。

「……人それぞれだよ。
 ……手を繋ぐ時間が増えたり、
 一緒に過ごす時間が長くなったり
 ……大事なのは、お互いが“いい”って思ってるか」

その言葉に、
白井は少しだけ肩の力を抜いた。

「……そっか。……ありがとう」

さらに。

「……ねえねえ」

背後から、
芦戸と麗日が声を潜めて近づいてくる。

「……白井さ」

「……恋人できたって、ほんと?」

白井は、少し照れながら頷いた。
「……うん」

「それでぇぇえ??」
三奈が、にやり。

「……どこまで進んだの?」

「……!」

顔が、一気に熱くなる。

「……き、キス……した、、、の。」

「おお〜!」

「初々しい〜!」

八百万が、柔らかく微笑む。

「……焦る必要はありませんわ。
 ……大切にされているなら、それが一番ですわ。」

白井は、
その言葉を胸に留める。

——“次”は、
——まだ分からない。

でも。

——守られていることは、
——ちゃんと分かる。

帰り際。

廊下の向こうで、
爆豪と目が合った。

一瞬だけ、
気まずそうに。

でも、
すぐに柔らかくなる。

——きっと。

——この人となら、
——“次”も、怖くない。

そう思えた翌日だった。
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