第7章 告げる、覚悟
爆豪side
……正直に言えば。
止まりたくなんて、ねぇ。
触れたい。抱きしめたい。
キスだって——したいに決まってる。
あいつが、
自分から近づいてきて。
迷いもなく、真っ直ぐな目で。
「触れたい」なんて言われて。
……耐えられる男がいるかよ。
最初は、
守るって決めた。
怪我したって聞いた時、
頭が真っ白になって。
ベッドに座ってる姿見た瞬間、
生きてるって分かっただけで、
全部どうでもよくなった。
——ああ、
俺はもう、こいつ失うのは無理だって。
その時に、決めた。
奪うな。
急ぐな。
選ばせろ。
⸻
でも。
恋人になったらなったで、
今度は距離が近ぇ。
無自覚で。悪気ゼロで。
平然と、俺の理性を削ってくる。
袖を掴む。隣に座る。
触れてくることも増えた。
……それだけで十分なのに。
あいつは、
「恋人だから」って言う。
——その言葉が、
一番ズルい。
分かってる。
あいつは、
恋をすること自体が初めてだ。
触れたいって気持ちを、
やっと言葉にできるようになったばっかりで。
それを。
俺の都合で、
汚したくねぇ。
怖がらせたくねぇ。
後悔させたくねぇ。
だから、止まる。
——止まれる自分でいる。
でも、限界は近い。
目が合うだけで、
息が詰まる。
近づかれると、
全部持ってかれる。
キス寸前で止まった時なんて、
正直、自分を殴りたいくらいだった。
……でも。
止めた手が、
間違ってなかったって、
今なら言える。
あいつが、
ちゃんと受け止めてくれたから。
「ありがとう」なんて言われたら、
もう——
守るしかねぇだろ。
⸻
欲しい。
独占したい。
離したくない。
それでも。
あいつが自分の意思で、
「いい」って言うまで。
俺は、
一線を守る。
——それが、
俺なりの愛だ。
⸻
……まあ。
その代わり。
選んだら、
もう逃がさねぇけどな。
それだけは、
覚悟しとけ。