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オオカミ少女は愛の夢を見る

第7章 告げる、覚悟


爆豪の目が、
わずかに揺れた。

「……っ」

次の瞬間。

爆豪が、
白井の肩に手を置く。

強くない。
でも、確実に止める力。

「……待て」

声が、
ひどく低い。

白井の心臓が、
跳ねる。

「……」

「……今、
それ以上行ったら」

視線を逸らす。

「……俺、
止まれなくなる」

白井は、
動かなかった。

ただ、
その言葉を受け止める。

「……」

「……キス、
したい」

爆豪の声が、
かすかに震える。

「……でも」

一拍。

「……初めてだろ」

白井の胸が、
きゅっと締まる。

「……だから」

「ちゃんと、
守りたい」

沈黙。

その言葉が、
ゆっくり染み込む。

——欲しいのに。
——でも、
——大事にされている。

白井は、
そっと息を吐いた。

「……ありがとう」

小さな声。

「……止めてくれて」

爆豪が、
一瞬だけ目を閉じる。

「……礼言われると、
余計きつい」

でも、
どこか安心した声。

白井は、
一歩下がった。

距離が、
ほんの少し戻る。

でも。

心は、
さっきより近い。

「……いつか」

白井が、
静かに言う。

「……ちゃんと、
してもいい?」

爆豪が、
ゆっくり顔を上げる。

「……ああ」

即答。

「……その時は」

「……俺が、
全部引き受ける」

その言葉に、
白井は小さく笑った。

「……じゃあ」

「……その時まで、
頑張ろう」

「……おう」

短い返事。

でも、
確かだった。

二人は、
再びノートに視線を戻す。

指先は、
触れない。

唇も、触れない。

それなのに。

——これ以上ないほど、
——恋をしていると、
——分かってしまった夜だった。
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