第7章 告げる、覚悟
朝の光が、
カーテンの隙間から差し込む。
白井は、
ベッドの中で目を覚まし、
しばらくそのまま天井を見つめていた。
——昨日。
夜の中庭。
爆豪の腕の中。
触れたいと、初めて口にした自分。
「……」
胸に手を当てる。
心臓は、
もう落ち着いている。
でも。
——消えていない。
むしろ、
はっきり残っている。
「……触れたい」
昨夜より、
確かな感情として。
⸻
午前の授業。
ノートを取りながらも、
視線は時々、前の席に向かう。
姿勢。
ペンの持ち方。
何でもない背中。
——近くにいるだけで、
——安心する。
でも。
——触れたい。
その衝動に、
自分で驚く。
「……」
隣の席から、心操の小さな声。
「……白井」
「……なに?」
隣を振り向くと同時に、爆豪が一瞬だけ視線を寄越す。
「……顔、赤い。大丈夫か?」
「……え?」
慌てて、
頬に手を当てる。
「……気のせい。じゃ、なさそうだな。」
心操はそう告げて前を向いた。
でも。
視線が、爆豪と一瞬だけ絡む。
爆豪は、すぐに前を向いた。
——昨日の夜のこと、
——お互いに意識している。
それが、
痛いほど分かった。