• テキストサイズ

オオカミ少女は愛の夢を見る

第7章 告げる、覚悟


夜。

寮の自室。

爆豪は、
ベッドに腰を下ろしたまま、
天井を睨んでいた。

——クラスの視線。
——白井の無自覚な近さ。
——それでも、嫌じゃない自分。

「……」

拳を、
ぎゅっと握る。

——欲しい。
——触れたい。
——独占したい。

全部、本音。

でも。

——それ以上に。

——壊したくない。

「……クソ……」

小さく吐き捨てる。

——初恋だ。
——恋をすること自体、
——あいつは初めてだ。

怖がらせるわけには、
いかねぇ。

「……待つ」

誰に聞かせるでもなく、
そう呟く。

——焦らねぇ。
——奪わねぇ。
——ちゃんと選ばせる。

でも。

「……守るのは、
やめねぇけどな」

それは、
譲れない。

翌日も、
隣に立つ。

名前を呼ぶ。

手が触れそうになったら、
一度止まる。

——全部、
意識的に。

「……ほんと」

苦笑する。

「……好きになると、
面倒だわ」

でも。

その表情は、
どこか穏やかだった。

恋は、
もう周囲に滲んでいる。

けれど。

二人はまだ、
ゆっくりと歩いている。

急がないと決めた男と、
初めて恋を知った少女。

その歩幅が、
ぴたりと揃うまで。
/ 231ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp