第7章 告げる、覚悟
朝の教室。
白井が席に着くと、
いつもより視線を感じた。
……というより。
「……ねぇ、ねぇ、麗日、、。」
小声で、芦戸が麗日の耳元で囁く。
「白井ちゃんさ、爆豪と……なんか距離近くない?」
「え、それ、ウチも思った……」
二人の視線の先。
爆豪が、
何でもない顔で
白井の机にプリントを置いている。
「……ほら」
「普通に話してるだけなのに、空気が違う感じやん。」
「……分かる」
白井は、
その視線に気づかない。
「……勝己、ありがとう」
名前を呼ぶ。
それだけで。
教室の空気が、
ほんの一瞬だけ、止まった。
「……今、名前呼び?」
切島が目を瞬かせる。
「……前からだった、、よな?」
爆豪は、
何事もなかったように言った。
「おー。」
ぶっきらぼうに短く返す。
でも。
白井の椅子の背に、
ほんの一瞬だけ、
手を添えてから離れる。
——それを見逃した者は、
もう少なくなかった。