• テキストサイズ

オオカミ少女は愛の夢を見る

第7章 告げる、覚悟


夜の病院は、
昼間とは別の静けさを持っていた。

廊下の灯りは落とされ、
ナースステーションの小さな光だけが、
薄く床を照らしている。

白井は、
ベッドに腰掛けたまま、
窓の外を眺めていた。

怪我は、もう痛まない。
医師からも、
「安静にしていれば問題ない」と言われている。

それでも。

——今日という一日は、
——簡単には終わらなかった。

「……」

ノックの音。

小さく、控えめ。

「……入るぞ」

低い声。

「……うん」

扉が開き、
爆豪が入ってくる。

手には、
コンビニの紙袋。

「……病院食、飽きてるだろ。
……まぁ、ゼリーだけだけどな」

ぶっきらぼうな言い方。

「……ありがとう」

白井は、
小さく笑った。

袋を受け取ると、
二人の間に沈黙が落ちる。

気まずさ、ではない。

——言葉が、
——まだ、早いだけ。

「……」

爆豪は、
椅子に座らず、
ベッドのそばに立ったまま、
視線を落としている。

「……今日は」

言いかけて、
止まる。

「……よく頑張ったな。」

それだけ。

「……うん。でもごめん。もう、無茶はしない」

素直な返事。

爆豪の肩が、
ほんの少しだけ下がる。

「……それでいい」

短い言葉。

でも、
胸の奥まで届く。
/ 231ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp