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オオカミ少女は愛の夢を見る

第1章 転入生 白井狼薇という少女


放課後、トレーニングエリア脇のベンチ。
汗を拭きながら、A組の男子数人がだらけていた。

「いやー、今日の実技疲れたな」
切島鋭児郎が、タオルを首にかけたまま言う。
「転入生も、普通に動けてたしよ」

「白井のこと?」
上鳴電気が興味深そうに乗っかる。
「確かに、あんまり前出ないけど判断早いよな」
「しかも超絶美人だしっ!」

少し離れた場所で、
爆豪勝己が無言で水を飲んでいた。

――チッ。

名前が出ただけで、気分が下がる。

「なあ、心操」切島が振り向く。
「お前、席近いよな? 白井」

心操人使は、壁にもたれながら答える。

「近いってほどでもない」淡々と。「普通だよ。」

「でもさ」
上鳴がニヤつきながら言う。
「お前ぇ〜、白井ちゃんと話してるの見たぞ。」

「話したってほどじゃない」

事実だけを切り取る言い方。
誰もそれ以上、突っ込まない。

その空気が、A組だ。

「白井ってさ」
今度は瀬呂範太が言う。
「距離感、独特じゃね?」

「あー、分かる」
切島が頷く。
「拒まないけど、踏み込ませねぇ感じ」

爆豪の指が、ペットボトルをきしませた。

「……」

心操が、その音を聞き逃さなかった。

「別に、悪いことじゃないだろ」

淡々とした声。

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