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オオカミ少女は愛の夢を見る

第7章 告げる、覚悟


「……インターン」

爆豪が切り出す。

「決まったら、忙しくなるな」

「……うん」

「現場に出りゃ、怖ぇこともある」

白井は、
黙って聞いている。

「それでも」

爆豪は、
一拍置いて言った。

「お前は、前に出る」
断言だった。

「逃げねぇし、何でも背負う。
……けどな、」
声が、
ほんの少し低くなる。

「一人で、背負おうとすんな」

白井は、
ゆっくりと息を吸った。

「……うん。もう、しない」

その答えに、
爆豪の胸がわずかに緩む。

「……」

一瞬の沈黙。

その間に、
白井がぽつりと言った。

「……仮免、取れたのは、勝己が待っててくれたからだと思ってる」

爆豪が、
はっきりと目を見開く。

「……は?」

「前に出ていいって、戻る場所があるって
……それが、すごく大きかった」

言葉は、
静かだった。

でも、
真っ直ぐだった。

「……ありがとう」

その一言で。

——全部、決まった。

爆豪は、
視線を逸らす。

拳を、
ぎゅっと握る。

——待つって、
——言ったよな。

——でも。

——これ以上、
——気持ちを曖昧にしたまま
——隣に立つのは、違ぇ。

「……狼薇」

名前を呼ぶ声が、
いつもより低い。

「……今は、言わねぇ」

白井が、少し驚いたように見る。

「でも」

爆豪は、
はっきりと言った。

「近いうちに、
ちゃんと話す。逃げねぇし、誤魔化さねぇ」

それは、
宣言だった。

白井は、
何も言わず、
小さく頷いた。

——分かってしまった。

その覚悟が、
何を意味するのか。

夕焼けの中、
二人は並んで立つ。

距離は、
もう曖昧じゃない。

爆豪は、
この瞬間、はっきりと決めた。

ヒーローとしてじゃない。
男として、
白井狼薇に想いを告げる。

あとは、
その時を待つだけだった。
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