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オオカミ少女は愛の夢を見る

第6章 揺れる日常、進む背中


雄英高校・寮。

「……来た!」

芦戸が声を上げる。

「え!? ほんと!?」
麗日が駆け寄る。

「合格……二人とも、ですの?」
八百万が目を輝かせる。

一瞬の静寂のあと。

「っしゃあ!!」
「やったー!!」

歓声が、寮に広がった。

「よっしゃっ!!早速飾り付けだ!」
切島が拳を上げる。

「サプライズだな!」
上鳴が笑う。

リビングに、
紙テープ。
風船。
即席の横断幕。

《仮免合格おめでとう!》

自然と、
準備が進んでいく。

その輪の少し外。

爆豪は、
腕を組んで立っていた。

——合格。

胸の奥で、
強く安堵する。

——当然だ。

——あいつなら。

でも。

それ以上に、
込み上げてくる感情があった。

「……」

拳を、
ぎゅっと握る。

——戻ってきたら。

——もう、誤魔化さねぇ。

仮免に向き合う姿。
不安を抱えながら、
前に出た姿。

そして、
ここまで来た結果。

「……伝える」

誰に聞かせるでもなく、
小さく呟く。

好意。
独占欲。
待つと決めた覚悟。

その全部を、
正面から。

爆豪は、
はっきりと心に決めた。

白井が戻ってきたら、
自分の気持ちを伝える。

帰る場所は、
もう整っている。

あとは、
本人たちを待つだけだった。
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