第6章 揺れる日常、進む背中
朝の食堂。
文化祭の翌日とは思えないほど、
寮はいつも通りの賑わいを取り戻していた。
白井は、トレーを持って席に着く。
——普通でいよう。
——いつも通り。
そう思った、次の瞬間。
「……」
爆豪からの視線。
はっきりと、
逃げ場のないそれ。
遠くからじゃない。
近い。確実に、こちらを見ている。
目が合う。
一瞬。
「……っ」
心臓が跳ねた。
慌てて視線を逸らしたのに、
頬が一気に熱くなる。
——早い。
——隠せない。
「……?」
自覚した瞬間、
顔がさらに熱を帯びた。
「……っ」
思わず、
両手で顔を覆う。
「狼薇ちゃん?どしたん急に?!」
麗日が驚いた声を上げる。
「あ、あの...////」
答える前に。
「……何やってんだ」
低い声が、
すぐ近くから落ちてきた。
気配。
次の瞬間。
爆豪の手が、白井の両手首をそっと掴む。
強くない。
でも、確実に。
「////っっ!」
「隠すな」
そう言って、ゆっくりと両手を外され、
露わになる顔。
赤い。
はっきり分かるほど。
「……っ」
恥ずかしくて、
慌てて視線を落とそうとする。