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オオカミ少女は愛の夢を見る

第6章 揺れる日常、進む背中


特別訓練、二日目。
昨日よりも、空気は少しだけ重かった。

「開始」

相澤消太の合図と同時に、
白井は動き出す。

——今日は、昨日より踏み込む。

判断。
制御。
使いどころ。

頭では、分かっている。

「……っ」

瓦礫の下敷きになったダミーを見つけた瞬間、
焦りが先に立った。

「白井!」

心操人使の声。

——早く、助けないと。

一瞬だけ、
個性の出力を上げる。

「……!」

力が、強すぎた。

瓦礫は持ち上がったが、
バランスを崩し、
ダミーを守りきれない。

「……止め」

相澤の声が、冷静に響く。

訓練終了。

沈黙。

「……焦ったな」

相澤は、事実だけを言う。

「昨日できていた“迷い”を、
今日は飛ばした」

「それが、結果だ」

叱責ではない。
でも、評価でもない。

「……はい」

白井は、俯いた。

心操は何か言いかけて、
でも黙った。

——今は、
言葉が刺さるだけだと分かっている。
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