第1章 出会い
【ハンジ視点】
ハンジ・ゾエは、訓練場の端に立って、興奮を抑えきれない様子で対決を見守っていた。彼女はいつものゴーグルを額に上げ、両手を握りしめて身を乗り出している。ユキノとは訓練時代からの親友で、昨夜ユキノからこの対決の話を聞いた時から、待ちきれなかったのだ。タイタン研究の合間に、立体機動の妙技を見るのは最高の息抜きだった。
二人が飛び上がった瞬間、ハンジの目が輝いた。
「わーお! リヴァイのあの加速、完璧! でもユキノも負けてないわよ! 見て見て、あのターン! まるで巨人が回避するみたいにスムーズ!」
彼女は独り言のように叫び、周囲の兵士たちを振り向かせる。イザベルが隣でびっくりして尋ねた。
「あの……ハンジさん? あの子、ユキノって知り合いなんですか?」
ハンジはニコニコしながら頷き、熱く語り始めた。
「ええ、ユキノは私の古い友達よ! 医官見習いだけど、立体機動の才能はピカイチ! リヴァイの地下街スタイルと、彼女の洗練された技術がぶつかるなんて、最高の実験みたい! データ取っておけばよかったわー!」
対決が激しくなるにつれ、ハンジの反応はますますエスカレートした。リヴァイの急旋回でユキノが内側から回り込んだ時、彼女は飛び跳ねて叫んだ。
「きゃー! ユキノ、ナイスカウンター! リヴァイの盲点を突くなんて、まるで巨人の弱点を狙うみたい! あー、もっと近くで見たい!」
ファーランが苦笑しながらハンジを制止しようとしたが、無駄だった。ハンジはメモ帳を取り出し、素早くスケッチを始めている。枝の密集地帯でのジグザグ飛行では、息を飲んで見つめ、
「ガス消費の効率が鍵ね……リヴァイの最小噴射、ユキノの予測軌道……これ、巨人捕獲に応用できるかも!」
と呟いた。周囲の兵士たちはハンジの熱狂に圧倒され、対決以上に彼女の反応が話題になった。
対決が終わると、ハンジは即座にユキノに駆け寄り、抱きついた。
「ユキノー! 最高だったわ! リヴァイの動きも勉強になったけど、あなたの着地精度、完璧! 次は私も混ぜてよ、実験的に!」
ユキノは笑ってハンジを振りほどき、リヴァイはそんな二人を睨みながら去ったが、ハンジの存在が対決をさらに賑やかにしたのは間違いなかった。