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翼の約束

第8章 壁外からの帰還


ユキノの頰に、触れる。

涙が、指先に伝わる。

温かい。

「……お前を、失いたくなかった」

その言葉が、零れた。

自分でも、驚くほど素直に。

ユキノの目が、見開かれる。

リヴァイは、目を伏せた。

「……お前がいなけりゃ、俺は……」

言葉が、続かない。

ユキノは、静かにリヴァイの手を握った。

「私もです。リヴァイさんがいなくなったら……
 もう、戦えません」

二人の手が、繋がる。

沈黙が、今度は温かい。

リヴァイは、初めて――
ユキノの肩に、額を預けた。

ユキノが、そっと抱きしめた。

「これからは……一緒に」

ユキノの声が、耳元で響く。

リヴァイは、無言で頷いた。

胸の奥の痛みが、
少しだけ、軽くなった。

イザベルとファーランの分まで。

二人で、生きる。

二人で、戦う。

医務室の灯りが、
二人の影を、優しく重ねていた。

壁外調査の傷は、
まだ癒えない。

でも――
二人は、初めて、
本当に背中を預け合った。

これから先、
どんな闇が待っていても。

ユキノ・ベリスタとリヴァイは、
もう、離れない。

その夜、
二人は、静かに寄り添い、
失った仲間のことを、
初めて、言葉にした。

涙は、流さなかった。

ただ、
お互いの温もりを、確かめながら。

新しい朝が、
ゆっくりと近づいていた。

二人の物語は、
ここから、本当に始まる――。

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