• テキストサイズ

翼の約束

第8章 壁外からの帰還


【ハンジの視点】

ハンジ・ゾエは、壁の門をくぐった瞬間、馬から転げ落ちそうになった。
足がガクガク震えて、立っているのもやっとだ。
周りの兵士たちが疲労と絶望で顔を伏せている中、ハンジだけが、眼鏡を押し上げて、にやにや――いや、泣き笑いみたいな顔で辺りを見回していた。

(……帰ってきた……みんな、帰ってきたよ……)

エルヴィン班の生存率は、予想をはるかに上回っていた。
異常者の群れに囲まれた時、正直、もうダメかと思った。
信号弾が上がるたび、心臓が止まりそうだった。

でも――。

リヴァイが、暴れていた。

馬を捨て、立体機動だけで異常者の群れに飛び込み、うなじを次々と斬り落としていく姿は、
まるで悪魔だった。
いや、神様だった。

(あれは……人類の希望だよ)

ハンジは、遠くで馬を降りるリヴァイの背中を見つめた。
制服は血と泥にまみれ、刃は欠け、ガスもほとんど残っていないはずなのに、
背中はまっすぐで、誰よりも強く見えた。

イザベルちゃんは……。

ハンジの目が、熱くなった。
/ 75ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp