第7章 壁外調査
イザベルちゃんが、横を駆け抜けていく。
「わっははー!! 気持ちいいー!!」
笑いながら、異常者の注意を引き、機敏に回避。
馬と立体機動を完璧に使い分け、班全体の動きを乱さない。
あの無邪気な笑顔が、壁外の空に響いている。
(イザベルちゃん……ほんとに太陽だね)
怖いはずなのに、楽しんでる。
生きてるって感じが、全身から溢れてる。
ファーランくんは、少し後ろで冷静に状況を見極めている。
馬を操りながら、班の配置を調整し、信号弾のタイミングを計る。
リヴァイの突撃を最大限に活かすための、完璧なサポート。
(ファーランくんは……やっぱり風だ)
目立たないけど、すべてを動かしてる。
そして――ユキノちゃん。
ハンジのすぐ横を、馬で並走している。
表情は穏やかだけど、瞳は揺るぎない。
医務キットを背負い、立体機動装置もフル装備。
負傷者が出たら、即座に回収に向かう準備ができている。
さっき、小さな負傷者が出たとき、
ユキノちゃんは馬を飛ばし、空中で負傷兵を確保し、
着地と同時に応急処置を始めた。
手は震えてなかった。
縫合の針目が、いつもの医務室と同じく綺麗だった。
(ユキノちゃん……強くなったね)
馬舎でリヴァイに教えた優しさが、
今、戦場で命を繋いでいる。