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翼の約束

第6章 壁外調査前夜


【女子寮・イザベルのベッド】

イザベルはベッドにうつ伏せになり、枕を抱きしめていた。

(明日……壁の外だよ!!)

興奮と、怖さが、半分ずつ。

地下街じゃ、壁の外なんて夢物語だった。
でも今、調査兵団に入って、
リヴァイ兄貴とファーランと一緒に、
本当に行くんだ。

ユキノお姉さんも、一緒。

(みんなで……帰ってこようね)

馬舎で教わったこと、
ユキノお姉さんの優しい声、
リヴァイ兄貴が少しずつ変わっていった姿――
全部、宝物みたい。

(リヴァイ兄貴……明日、絶対守るから)

私も、強くなったよ。

イザベルは小さく笑って、
枕に顔を埋めた。

怖いけど、
楽しみだ。

みんなと、一緒なら。

【男子寮・ファーランのベッド】

ファーランは天井を見つめ、静かに息を整えていた。

(明日か……)

エルヴィンの計画。
壁外での真実。

自分たちは、ただの駒かもしれない。
だが、それでもいい。

リヴァイがいる。
イザベルがいる。
そして、ユキノがいる。

馬舎での日々が、胸に蘇る。

ユキノの教え方。
決して急かさず、信頼を育てる。

あれが、リヴァイを変えた。

(お前……ほんとに、すごい女だ)

ファーランは小さく笑った。

明日、壁外で。

リヴァイの強さを活かし、
イザベルの機動力を使い、
ユキノの治療を支える。

自分は、策を練る。

(全員……生きて帰る)

その決意だけを、
ファーランは静かに胸に刻んだ。

【屋根の上・ハンジ】

ハンジは屋根に寝転がり、星を見上げていた。

(明日だね……)

みんなの顔が、浮かぶ。

特に、リヴァイとユキノちゃん。

馬舎での変化を、全部見てきた。

(二人とも……強くなったね)

ハンジは眼鏡を外し、星空に向かって呟いた。

「みんな、無事で帰ってきてね」

そして、にやりと笑った。

「帰ってきたら……もっと面白いこと、待ってるよ」

壁外調査の前夜は、
誰もが、それぞれの想いを抱いて、
静かに、更けていった。

明日、壁の外で――
彼らの物語が、本当に始まる。
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